うるちの放課後

だいたい日記に話しかけてる感じのブログ。

悲しい。京アニの作品は大きな原動力になったんだよ

京都アニメーションで起こった事件におきまして、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、負傷された皆様に心よりお見舞い申し上げます。一日も早い回復をお祈りいたします。

ショックな出来事がありました。わたしは過去に思い出深く大切な映像をつくったことがあるのですが、それをつくる原動力となった作品『けいおん!』を生み出した方々が事件の被害に遭いました。

20代半ばの頃の思い出と『けいおん!』との出会い

けいおんのうちわ、焼きそば、カレーパン

2011年。当時webデザイナーとして会社でも個人でも、ずっと仕事ばかりしていた時に学生時代の友人から連絡がありました。
内容は結婚式の余興をしてほしいとのこと。

わたしは「オッケー!」の返事と共に、なにをしようかと考えていたところ、頭には一つの案がありました。それは披露宴の余興ムービーなのですが、わたしの考える映像を完成するにはとてつもない作業量と時間がいる。そう、つくる前から分かっていたのです。

そのとき、なんとなく京アニ作品の『けいおん!』に触れました。
それまで仕事ばかりしていてアニメはおろかテレビを見る時間も少なかったのですが、インターネットでも『けいおん!』という言葉はよく目に留まりましたし、これだけ有名なら一度は見てみたいと思っていたのでしょう。

『けいおん!』を見始めたところ、とても素晴らしい作品だと分かりました。

音楽のクオリティは高く、人を不快にさせず徹底した癒し、それでいてキャラを立たせ成長を描く綿密な描写とストーリー。

今では制作陣の本気度が分かります。

ジャンルは違えど、当時デザイナーとして同じ制作者という立場で見ても「すごいな〜」という感想は抱いてたんじゃないでしょうか。
…いや、違います。
なんでも仕事や技術に結びつけようとしてしまいガチなわたしのクセを忘れてしまうほどに、純粋に作品をとても楽しんでいたと思います。

2期である『けいおん!!』や映画作品も一気に見た記憶がありますから。
今では企画としてもすごい作品だなと思います。

話は戻ります。その『けいおん』を見て、わたしも友人の結婚式の余興に(みんなで何か創りたい!)と思う気持ちがフツフツと湧きました。
学生時代の、思春期の頃にあった衝動的な気持ち。それが奮い立ったのです。

結果的に、相当な時間と勉強の甲斐もあって、つくった映像は新郎新婦やその場にいた人達よりとても嬉しい評価をいただきました。「あのムービー誰がつくったの?」「DVDに焼いて欲しい」という声を多くいただいたのです。
それからというもの、わたしは共通の友人の余興係になったのですが、どれもが作った映像の中で大切な思い出であり宝物です。

そして、今回の事件です。

京アニの事件について思うこと

このショックは、わたしにとってどういう感情だろう?と考えて、それぞれありますが一番大きなのは悲しいということ。

人の命が奪われたことが、本当にいたたまれない。
また京アニには感謝と敬意を抱いているのです。大切な友人に向けてつくった映像には制作に高いハードルがあって、『けいおん!』はその一歩を踏み出す原動力になったから。それが京都アニメーションであり、そこで制作する方々だったから。

その人たちが悲しみに溢れている。過去に大きな力をくれた人たちが死傷している。

同じ制作者としても心がいたみます。「つくりたい!」という欲求は、とても大きなものです。 同時に仕事をしていく上では技術をともないますし、それを得るためには時間と忍耐もいります。

職種は違うのでつくるもののジャンルは違いますが、大変であることには違いありません。
思いや考えを形にする技術は、貴重な時間を多く使うことです。

その中でも世界に認められているアニメーターの方々が働くトップ集団だからこそ、それを作る意気込みや時間、努力は半端なものであるはずがありません。

わたしはアニメーターという職を素晴らしいと思っています。snsを見ても国内外問わず、多くの方が「京アニの作品からは夢をもらった」といった声をあげています。

わたしも、その1人です。
創作活動のなかで京都アニメーションに属する制作者の方々には、作品を通して力をいただきました。とても感謝しています。

冷静に時期を見て、自分なりにできることをしようと思います。

被害に遭われた方々の体や心が少しでも回復する日がきてほしいこと。この件について心をいためている方々が少しでも早く回復することを願います。